2013年05月31日

ベトナムの赤ひげ先生-2- 

 昨日の続きですが、服部さんの事情とは?
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  それを理解するには、時計の針を32年ほど前に巻き戻す必要がある。17歳、高校2年だった服部少年は、高校の授業が終わると病院に行き、胃がん末期の激しい痛みと戦う父親と一緒の時間を過ごしてから帰宅するという日々を送っていた。父親の短い余命を知った少年にはそうすることが精一杯だった。

 毎日、激しい痛みと戦う父親を見て、服部少年は痛みを取ってあげてほしいと何度も担当医に相談したが、聞く耳は持ってもらえなかった。ある日、ナース室を通りかかった少年は信じられない言葉を聞く。担当医と看護士がひそひそと話していたのだ。「829号室のクランケはうるさいやつだよ。どうせもうすぐ死ぬくせに」。

 「どうせもうすぐ死ぬくせに」。少年は知らず知らずこの言葉を口の中で何度も反芻していた。

 「医者って何なのだろう、何のために存在しているのか。あの時は本当にショックでした。神様だと思っていた医者からこんな言葉を聞かされるとは全く思っていなかった。激しい痛みと必死で戦っている自分の父親を邪魔者扱いですからね」。服部さんはこう言って目にうっすら涙を浮かべた。

 それから間もなくして父親が死に、服部さんは医者の存在価値どころか世の中全体の存在理由が分からなくなってしまった。家を飛び出すと大阪駅から列車に乗っていた。青森へ行き青函連絡船に乗って北海道へ渡った。約1カ月ほど放浪した後、大阪の自宅に戻った。

 「とにかく人生の先が真っ暗になって何も見えなくなってしまったんです。鉄ちゃんだったこともあって気づいたら列車に乗っていました」
1カ月の北海道家出旅で、広大で豊かな大地と都会ではほとんど消えかけている温かい日本人の気持ちに触れ、自分は何をしなければならないのかの手がかりをつかんだ。

 自宅に戻ると、必死で勉強を始める。文系の大学への進学を希望していたが、医学部志望に転向、外科医を目指す。父親の病気の経験から、患者思いの医者になろうと決意したのだ。

 しかし、世間はそう甘くない。高3になって、志望を地元の大阪大学に定めて高校の進学指導に相談に行ったら笑われてしまった。「この成績で大阪大学の医学部へ行きたいだぁ。数学と理科は赤点ばかりじゃないか。そりゃ無謀過ぎるわな。そうだなぁ、2浪ぐらいすれば入れるかもしれん」

 しかし、恐らく慰める気持ちで先生が言ったに過ぎない「2浪ぐらすれば入れるかもしれん」という言葉に自分の未来を託すしかなかった。人生の先輩が何の気なしに言った一言が1人の人生を変えることはしばしばあるものだ。

 2浪して阪大の医学部に入り、外科医になる。そう目標を定めて猛勉強に励んだ。1浪目は合否判定は50%以下だったが、2浪目は80%以上の合格可能性を叩き出していた。しかし、神様は時として頑張る者に試練を余計に与えるものらしい。

 本番の二次試験で上がってしまって玉砕、3浪目へ突入。さすがに3浪目は余裕で受験に望んだ。でも結果はやっぱり玉砕。そしてついに4浪目。

 さすがに「出来損ないの息子を持った母」という烙印を押され、世間の目を気にして生きなければならない母親に申し訳ない気持ちでいっぱいになったと服部さんは言う。ところが、5回目の受験では共通一次で失敗。しかし、人生とは面白いもので、こういう展開が次の運命的な出会いを用意していた。
posted by toyoharu at 22:10 | 埼玉 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月30日

ベトナムの赤ひげ先生 -1- 

 今日はJBpressから以下のコラムを抜粋して紹介します。
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  これから紹介するのは損得勘定全く抜きに、ベトナムで診療を続ける1人の医師である。年間数千万円の報酬と名誉をあっさり捨て、日本で身に着けた高い技術を困っている人に無償で惜しみなく与える道を選んだ。

 服部匡志さん49歳。ベトナムの人たちは彼を「ベトナムの赤ひげ先生」と呼ぶ。彼がしているのは、余裕のある時に援助する西洋由来のボランティアではない。困っているベトナム人を1人でも多く救うために身を賭して立ち向かっている正真正銘のサムライである。

 ベトナムでの診療・手術はすべて無報酬であり、医薬品代や検査費用などの治療費を払えない患者の負担を肩代わりすることもしばしばあるという。

 「無報酬だから手を抜くなんてことは絶対にしません。基本的に患者さんが日本で受けられるのと同じ手術をしています。医薬品や治療器具も手に入る限り日本で使うのと同じ質の高い物を使う」

 「欧米人の中には私が無報酬と聞いて、手術の実験をするためにベトナムへ来たのかと、お前はボランティアなのだから手を抜いて当然というような言い方をするボランティア医師がいますが、全く分かっていない」

 「私がベトナムで手術をする時には、日本の代表です。日本の顔なんです。ベトナムの患者は間違いなくそういう目で私を見ている。私が手を抜けば、日本人全体がそういう人間に映ってしまうのです」

 「だから、例えば10ドルで手に入る治療器具で手術が可能であっても、日本でメスを入れる部分をなるべく小さくして患者の負担を軽くするために100ドルの器具を使って手術をしている場合には、私は躊躇なく100ドルの器具を使う。もちろん、その負担は私がします」

 本物の親日は得では買えない。大企業を中心に日本の存在意義をほとんど見失いかけている中で、服部さんのような草の根の真のサムライこそが、実は東南アジアで日本のブランド力を高め親日家を増やしているのである。ベトナムでいや、少なくとも東南アジアで、今、服部さんは最も信頼を得ている日本の医師と言って間違いはない。

 服部さんがベトナムの医療事情を知ったのは、2001年10月、服部さんの出身大学である京都府立医大が開いた国際会議の席上だった。
網膜硝子体(眼底)や白内障の内視鏡手術では指折りの名医として世界的にも知られるようになっていた服部さんは、ハノイ国立眼科病院から来ていた1人の女医から懇願された。

 ちなみに、網膜硝子体は目の奥にあり手術が最も難しいとされている部位である。ここで起きる網膜はく離は早期発見されればレーザー治療が可能だが、遅れれば手術が必要となる。放置すれば失明する。

 「ベトナムでは技術がないために毎日多くの患者さんが失明しています。何とか力を貸してもらえませんか」

 服部さんはベトナムには縁もゆかりもなく、知識すらほとんどなかった。さらに手を貸してあげたとしても報酬もないという。
日本の名医である。普通なら断るか、社交辞令程度の返事で済ましてもおかしくない。しかし、服部さんには聞き流せない事情があった。

posted by toyoharu at 19:47 | 埼玉 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月29日

15分刻みのマラソン会談 

 今日は産経ニュースから以下の記事を紹介します。
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  出遅れ挽回なるか−。来月1日から横浜市で開かれる第5回アフリカ開発会議(TICAD V)は、日本政府にとって巻き返しをかけた舞台となる。最近10年間で年平均5.8%の経済成長を誇るアフリカ諸国。世界各国が関心を寄せる中、この地域との関係を着々と深めてきた中国や欧米諸国などと比べ、日本の劣勢は否めないからだ。

 「アフリカは世界の成長センターだ。アフリカの活力を日本に取り込んでいくことが、日本の成長に極めて重要だ」

 安倍晋三首相は21日、TICADを推進する官民連携協議会の坂根正弘共同座長(経団連副会長)との会談でこう強調した。成長戦略をアベノミクスの要と位置づける首相にとって、アフリカとの関係強化は欠かせないというわけだ。

 今回のTICADではアフリカ諸国の立場が大きく変貌する。つまり、従来の「援助」の対象から「貿易・投資」のパートナーへの変化だ。首相は会議前日の31日からの4日間で、約40カ国のアフリカ首脳と個別会談を予定。15分刻みのマラソン会談となる見通しで、まさに体力勝負の外交だ。

 こうした危機感の背景にあるのが、アフリカにおける日本の存在感の低下だ。特に中国と比較すると、輸出入総額で5分の1、総投資額で3分の1と後れを取る。政府高官も「中国の資金量や援助額は唖然とするほどの勢いだ」と認めさるを得ない差だ。

  日本の首相がアフリカを訪問したのは第1次安倍政権時の07年5月が最後。サハラ砂漠以南に限れば小泉純一郎元首相によるエチオピア、ガーナ歴訪(06年4〜5月)以来7年以上も空白期間がある。この間、中国は国家主席と首相が延べ28カ国を訪問。今年3月に就任した習近平国家主席も初の外国歴訪でタンザニアなど3カ国を訪問した。

 ただ、インフラ建設などで自国民の労働者を使い、技術移転も不十分な中国による援助は「植民地主義の気配」(サヌシ・ナイジェリア中央銀行総裁)と警戒が広がっている。日本にも反転攻勢の糸口はある。
posted by toyoharu at 23:35 | 埼玉 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月28日

「まるで氷河が動くよう」 

 今日は日経ビジネスから堀田佳男氏のコラムを抜粋して紹介します。
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  7月の参院選を前に、安倍首相が目指す憲法改正の議論が盛り上がってきている。では、米国は日本の憲法改正をどう捉えているのか。

 端的に述べると、民主・共和両党の政治家と政府高官は日本の憲法改正に賛成である。しかも9条改正に前向き、それどころか「早く改正してください」という立場だ。それは今に始まったことではない。

 10年以上前から、米政府内には9条改正に対する強い肯定論が出されていた。筆者は2004年冬、ワシントンの国務省で当時国務副長官だったアーミテージ氏に憲法改正について訊いた。同氏はオバマ政権誕生後、表舞台から退いたが、安倍首相とは今でもワシントンの重要なパイプ役として信頼関係を築いている。同氏は次のように述べた。

 「私は『アーミテージリポート』という21世紀の日本の安全保障のあり方を記した報告書を発表しています。それを踏まえて明言したいのは、日米同盟や国際社会の安定のために軍事力を用いる際、憲法9条は邪魔になっているということです。日米が共同作戦をとる段階で障害になっているのは偽らざる思いです」

 9条があることで、自衛隊と米軍の行動に支障が出る状況が4類型で想定されている。例えば、公海上での自衛隊艦船による米艦船防護や、米国に向かう弾道ミサイルの撃破などは、現行憲法の解釈では大きな制約がある。

 そうした状況だからこそ、米政府内には「いつ憲法改正ができるんだ」という苛立ちがある。アーミテージ氏は2004年の時点で既にしびれをきらしていた。そのスピードを「まるで氷河が動くがごとくだ」と形容したほどだ。

 それではオバマ大統領はどう考えるのか。今年2月、ホワイトハウスで安倍首相と会談した際、両首脳は日本の憲法改正問題も話し合っている。記者会見でオバマ大統領が憲法改正には触れなかったことで、日本のメディアは安倍首相がオバマ氏に軽くあしらわれたとのニュアンスを伝えたが、実はオバマ大統領は安倍首相の憲法改正の動きに賛同していた。その上で、限定的にせよ、憲法改正によって東アジアの安全保障に日本が寄与してほしいとの思いを抱く。

 筆者個人としては国会議員の賛同を3分の2から2分の1へ下げても、それは国会での発議要件を変更するだけで、憲法を真に改正しやすくするものではないと考える。というのも、最終的には国民の過半数の賛同が必要になるからである。主権在民は機能しており、最終的には国民投票に委ねられる。

 憲法を制定・改正するのは議員ではない。最終的な判断はあくまで国民サイドにある。国会議員の2分の1の賛同になっても、それは国民投票で「意見を仰ぐ機会が増える」ということに過ぎない。たとえ9条を改正するとしても、国民は戦争放棄という条項だけはほぼ間違いなく支持すると思われるし、主権在民による制定権力は依然として強いはずだ。

 憲法改正については国民が最終的な選択権を持つ。この点だけは、米国政府や知日派がどうあがいても手も足もでない。前出のアーミテージ氏も、「日本の憲法改正は日本人が主体的に決めるべきことです。憲法9条の改正についても、米国が口を差し挟める立場にはありません」と語る。
posted by toyoharu at 21:52 | 埼玉 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月27日

日中韓“謝罪”の巻 

 今日は産経ニュース、日経から謝罪記事を集めてみました。
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 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が27日の日本外国特派員協会の記者会見で、米軍に風俗業活用を求めた発言を撤回し「おわびする」と述べたことについて、AP通信は東京発の至急電で「日本の市長が謝罪」と速報した。

 米国のワシントン・ポストやUSAトゥデーなどの有力紙、ABCなどテレビネットワークの電子版は相次いで、至急電に続くAPの配信記事を掲載した。

 APの記事は、橋下氏が風俗業活用発言を謝罪したと伝える一方、慰安婦が必要だったとの発言については「文脈から切り離され」てメディアに引用されたと主張した、と報道した。

 さらに「戦場の性の問題」は旧日本軍だけでなく、他の主要国でも存在したとして「日本だけを非難することで終わってはならない」との橋下氏の見解を紹介した。
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 エジプトの古代遺跡「ルクソール神殿」に落書きをしたとして、中国国内のインターネット上で批判にさらされた江蘇省南京市の男子中学生の両親が27日までに、地元紙を通じて謝罪した。

 中国各紙によると今月上旬、神殿を訪れた中国人観光客が、壁に彫られた古代の人物の上に「ここに遊びに来た」という中国語の落書きを発見。中国版ツイッター「微博」に「最も悲しく恥ずかしい瞬間だった」とのコメントとともに写真を投稿した。ネット上で犯人捜しが始まり、批判が殺到。中学生の名前や生年月日などが公表され、出身小学校の公式サイトがハッカー攻撃を受けたという。

 両親は「教育が至らなかった」と陳謝。中国外務省の洪磊報道官は27日の定例記者会見で「旅行者は現地の法律を順守し、文明的な振る舞いをしてほしい」と訴えた。
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  27日付の韓国紙中央日報は、日本への原爆投下を「神の懲罰」と表現した20日付のコラムを担当した論説委員名で「(自身の伝えたかった)趣旨と異なり、日本の原爆被害者と遺族を含め、心に傷を負われた方に遺憾の意を表明します」とのコメントを掲載した。別の話題を採り上げた27日付のコラムの末尾に短く載せた。

 コラムを巡り、菅義偉官房長官が23日、「誠に不見識だ」と述べ、岸田文雄外相も「唯一の被爆国として断じて容認できない」と閣僚らが相次ぎ批判し、広島や長崎からも抗議の声があがっていた。日本政府は在韓国大使館を通じて中央日報に抗議したが、同社は「論説委員個人の意見」とし、会社の立場ではないと強調していた。
posted by toyoharu at 21:50 | 埼玉 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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